近年、外国籍の方を採用する企業が増えております。在留資格は目的ごとに細かく分類されており、どの資格に該当するかによって必要となる書類や説明内容も変わってきます。 適切な在留資格の検討と適正な書類作成が外国籍の方の雇用には欠かせません。
【技術・人文知識・国際業務(技人国)】
外国籍の方が知識や経験を活かし、日本で専門的な仕事をするために必要となる在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。
【対象分野】
その仕事が専門的な内容である必要があります。 通訳・翻訳、営業、経理、プログラマー、デザイナーなどが代表的な例です。 一方で、工場のライン作業や飲食店のホール、清掃などの専門性の判断が難しい業務については対象外とされています。
【業務能力】
その仕事を行うための学歴や経験が求められます。
・大学で関連分野を学んで卒業している
・日本の専門学校(専門士・高度専門士)を修了している
・10年以上の実務経験がある
・ITの国家資格を持っている
といったいずれかの条件を満たす必要があります。
【継続性・安定性】
働く環境が安定しているかどうかも審査対象です。 会社の経営が安定しているか、仕事が継続しそうか、その外国人が日本で安定して生活できるかといった点が確認されます。


【経営・管理】
外国籍の方が日本で事業を行うためには、会社を設立するだけでは足りず、「経営・管理」という在留資格を取得する必要があります。 この在留資格は、事業の実態や資金、事務所の確保など、さまざまな要件を満たす必要があり、2025年の法改正により審査基準が大幅に厳格化されました。
会社設立、必要な許認可の取得、在留資格の申請といった段階的な手続が必要となります。 海外在住の場合は「在留資格認定証明書交付申請」を、日本在住で別の在留資格を持つ場合は「在留資格変更許可申請」を行います。
【資本金払込額】
2025年の法改正により、資本金は3,000万円以上が必要となりました。 従来の500万円から大幅に引き上げられたため、資格取得には相当の準備が必要です。 また、事業内容・売上見込みなど、実現性のある事業計画の作成も求められます。 さらに、日本語能力(N2相当/CEFR B2)、常勤職員の確保、業種によっては許認可の取得も必要となります。
【従業員の保護】
従業員が安心して働き続けるためには、会社が安定して運営されていることが欠かせません。 経営管理ビザの基準が厳しくなったことで、経営者が在留資格を更新できない場合、会社の運営に影響が出る可能性があります。 経営者様は、そのようなリスクも踏まえ、事業の安定化に向けた準備を行うことが必要と考えられます。 経営に不安がある場合は、税理士・社会保険労務士などの専門家に早めに相談し、継続的な事業運営の体制を整えることが望まれます。


【特定技能】
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野において、即戦力として働く外国人のための在留資格です。 一定の技能水準と日本語能力を備えた方が対象となり、現場での実務を前提とした制度です。
【対象分野】
介護、農業、外食業、宿泊業、建設業に加え、 自動車運送業(トラックドライバー)が新たに対象分野に追加されました。
【特定技能1号】
一定の技能水準を持つ外国人が、現場で働くための在留資格です。技能試験・日本語試験の合格が必要であり、家族帯同は原則できません。在留期間は概ね1年・6か月・4か月で、適性が認められれば更新も可能です。
【特定技能2号】
より高度な技能を持つ外国人向けの在留資格です。在留期間の更新が可能(長期滞在が前提)となり、家族帯同が許される場合もあります。対象分野は限定的ですが、今後、拡大される可能性あります。
◎外国人ドライバーの受入れを検討される事業者様は、以下のページをご覧ください。


【日本人配偶者等/家族滞在】
【日本人配偶者等】
日本人と法的に有効な婚姻をしている場合、「日本人の配偶者等」として在留資格が認められることがあります。対象となるのは法律婚であり、内縁関係などの事実婚は含まれません。 また、日本人の実子については、出生時に父母のいずれかが日本国籍であれば対象となります。
【家族滞在】
教授、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、経営管理、介護、技能、特定技能2号、留学(大学等)などの在留資格で在留している方は、一定の要件を満たすことで、配偶者や子に「家族滞在」の在留資格が認められる場合があります。
※特定技能1号・技能実習・短期滞在は家族滞在の対象外です。
【在留資格取得の留意点】
身分系在留資格は就労制限がないことから、過去には偽装結婚が問題となった経緯があります。 そのため、年齢差が極端に大きい場合や、婚姻経緯に不自然な点がある場合には、実態確認が厳格に行われることが想定されます。
また、在留資格制度全般において、外国人が風俗営業に係る業務に従事することは、法律により厳格に禁止されています。
風俗営業は、組織犯罪の介入を警戒し、許認可制度の中でも特に取締りが厳しい分野です。この領域に不法就労の外国人が関与した場合、看過できない悪質性を伴うものと判断され、入管法令および風俗営業法の双方において厳しい処分が科される可能性があります。
経営者様は、こうした不正に巻き込まれないよう十分な注意が必要です。

