【外国人運転手の雇用 / 特定技能制度の改正】
特定技能制度の改正により、運送業のドライバー分野でも在留資格が認められるようになりました。一般貨物自動車運送業だけでなく、緑ナンバーの廃棄物運搬車(産廃収集運搬)なども対象に含まれます。
在留資格の取得には一定の要件がありますが、前向きに学習する外国籍人材や、誠実に事業を運営する企業であれば、十分に達成可能な水準です。 これにより、慢性的な人手不足が続く運送業界において、人材確保の一助となることが期待されています。
【企業側の要件】
特定技能(自動車運送業分野)で外国人材を雇用するためには、企業が一定の安全性や労働環境を整えていることが求められます。具体的には、「Gマーク(安全性優良事業所認定)」または「働きやすい職場認証制度(運転者職場環境良好度認証)」のいずれかの認証を取得している必要があります。
これらの制度は、運送事業者としての安全管理体制や職場環境の整備状況を評価するものであり、外国人材の受け入れにあたって重要な基準となります。
◎Gマーク、働きやすい職場の認証をご検討されている事業者様は、以下のページをご覧ください。
【日本語能力試験/特定技能評価試験】
特定技能1号(自動車運送業分野)では、日本で生活し、職場で安全に業務を行うための日本語能力が求められます。原則として、日本語能力試験(JLPT)N4相当以上の日本語力が必要とされています。
また、運送業務に必要な基礎知識を確認するため、貨物自動車運送分野の特定技能評価試験に合格する必要があります。特定技能評価試験は分野により 会場型またはCBT(Computer Based Testing)方式 で実施されます。


【雇用予定者(外国人材)の生活基盤のサポート】
外国籍の方をドライバーとして受け入れる企業は、ビザ要件の確認だけでなく、労働条件の整備や安全運転教育の実施も重要となります。企業側には継続的な支援計画の作成や、生活サポートを行うことが求められ、これらを適切に整えることで、外国籍人材が長期的に安心して働ける環境が整い、結果として企業にとっても安定した運行体制の確保につながります。
【支援機関・支援計画】
特定技能外国人を受け入れる企業には、「支援計画」を作成します。支援計画は、事前ガイダンスの実施、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供、日常生活や職場での相談対応など、外国籍人材が日本で円滑に生活・就労できるようにするためのものです。
初めて特定技能外国人を受け入れる企業では、これらの支援業務を自社で完結させることが難しい場合も多く、登録支援機関へ委託し、支援を受けることができます。
【協議会への加入】
特定技能所属機関(受入企業)は、分野ごとに設置されている協議会へ加入する必要があります。例えば、外食業であれば農林水産省が所管する協議会が該当します。
協議会への加入は、多くの分野で「申請前に加入していること」が要件とされているため、受け入れ準備の段階で必ず確認しておくことが重要です。


【外国人材の雇用 / 運転免許の留意点】
【外免切替の厳格化】
近年、外免切替の手続が安易に行われていたことが社会問題となり、外免切替は大幅に厳格化されました。外免切替は、ジュネーブ条約等に基づく国際的な免許制度の枠組みを前提としており、日本の免許制度と同等と認められた国・地域に限られます。
また、当該国・地域において3か月以上滞在していたことなど、国内法上の要件も課されています。さらに、免許区分についても、免許を取得した国・地域と日本の免許区分が必ずしも一致するとは限らず、個別の事案ごとに慎重な検討が必要となり、基準を満たさない場合には切替が認められません。
有効な切り替えができない場合には、雇用予定者が日本の運転免許を取得できる知識や技能を有しているかを確認する必要があります。なお、国際免許制度と外免切替制度は異なりますので、混同しないよう注意が必要です。
【海外に居住している外国人】
海外に居住している外国人が特定技能(自動車運送業分野)で来日する場合、まず特定技能評価試験と日本語試験に合格し、在留資格認定証明書交付申請を行います。入国後は、特定活動期間(最長6か月)の在留資格により滞在し、この期間中に外免切替または自動車教習所への通学等によって、日本の自動車運転免許を取得します。
特定活動期間は、特定技能1号(自動車運送業分野)への在留資格変更を受けるために、自動車教習所での教習等を行うことを目的として設けられています。残念ながら、この期間中に日本の運転免許を取得できなかった場合は、特定技能の在留資格を取得することはできず、特定活動の在留期間を延長することもできません。
【日本に居住している外国人】
日本に居住している外国人が特定技能(自動車運送業分野)へ在留資格を変更する場合は、特定技能評価試験と日本語試験に合格した上で、現在の在留資格から特定技能へ切り替える申請を行う前に、日本の自動車運転免許を取得しておく必要があります。
【在留資格の切替えとその後の免許取得】
特定活動期間中に普通運転免許(または準中型運転免許)を取得した場合には、速やかに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行う必要があります。なお、在留資格変更手続中であっても、受験資格を満たしている場合には、大型自動車免許・中型自動車免許等の取得に向けて自動車教習所で教習を受けることも可能です。
【留意点】
不法滞在や不法就労は、治安や経済に深刻な悪影響を及ぼすため、出入国管理法令に基づき厳格な管理体制が敷かれています。違反があった場合には、外国人本人だけでなく、雇用主にも法的責任が問われる可能性があります。
貨物運送分野で外国籍人材を受け入れる場合には、国際免許制度や在留資格要件など、複数の法令・制度をまたいだ横断的な知識が不可欠であり、安易な対応はできません。また、本制度は改正から日が浅く、運用に疑義が生じた際には、出入国在留管理庁、国土交通省、警察庁(都道府県警察本部)から指導を仰ぐ必要が生じる可能性もあります。
弊所では、これらの法令上の要件を慎重に精査し、お客様の在留手続を進めてまいります。


◎出入国在留管理庁
【特定技能制度】
【特定技能 / 自動車運送分野】
◎国土交通省
【特定技能 自動車運送分野】