日本郵便株式会社において、法令に定める点呼が行われていなかったとの報道がありました。数多くいる郵便配達員の点呼業務を行うことは大変な作業であることは想像に難くありません。
貨物自動車運送事業法において、運行管理者による点呼は重要視されています。これは、職業ドライバーによる事故の多発が大きな要因です。1999年に発生した東名高速道路での飲酒運転事故では、飲酒運転のトラックが普通乗用車に追突し、車両が大破炎上して幼い姉妹2人が死亡したことが、危険運転致死傷罪の制定の契機となりました。このような事件の影響もあり、点呼制度の重要性が認識されました。
一方で、2024年問題と呼ばれるように、職業ドライバーの人材不足が運送業界において深刻化しております。郵便配達も然り、運送業は流通経済の根幹を支える仕事であり、私たちがスーパーで自由に商品を買えるのも当たり前のことではありません。全国の交通網を駆け、農産物や工業製品等を輸送してくれるドライバーのお陰であることを忘れてはいけないと思います。
点呼制度は重大事故からドライバーを守り、ひいては、会社の安全を守るための制度です。運送業界のお客様と共に、点呼制度の背景や重要性について理解を深め合うことが重要だと思いました。